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2006.6.29
湧洞沼原生花園にエゾカンゾウが咲き始めました
湧洞沼原生花園に咲き始めた
エゾカンゾウ(キスゲの仲間)
撮影・大石正英

◇news◇

十勝川が太平洋に注ぎ出す大津港から広尾にかけて、十勝の海岸沿いには知られざる原生花園が続いています。北海道の原生花園は開発が進み、名ばかりの原生花園がありますが、十勝海岸の原生花園はまさに原始のままの姿が残っています。
長節湖、湧洞沼、生花苗沼、ホロカヤントウと海跡湖が連続します。海岸から5kmほど内陸をナウマン国道が併走しているので、各湖沼にはそれぞれ国道から海岸を目ざす枝道に入ります。
原生花園も豊北原生花園(トイトッキ浜)、長節湖、湧洞沼、生花苗沼(オイカマナイトウ)、ホロカヤントウと連続。つまり海岸沿いはすべて原生花園といった感じなのです。
海岸から5kmほど内陸をナウマン国道が併走しているので、各湖沼にはそれぞれ国道から海岸を目ざす枝道に入ります。
例年6月下旬から湿原・高山植物が開花するのですが、今年は数十年ぶりともいわれる天候不順の影響で、かなり遅れ気味。ようやく湧洞沼でエゾカンゾウが咲き始めました。これから花見のシーズンを迎えますが、観光ルートから離れているので、広大な原生花園を独り占めすることができます。もちろん、団体を乗せたツアーバスを見ることは決してありません。

◇from editor◇

十勝海岸の原生花園に咲く花はハマナス、センダイハギ、ヒオウギアヤメ、エゾカンゾウ、ガンコウラン、コケモモ、キタノコギリソウなどなど。
晩成地区ではナウマン象の化石が発掘されるなど、歴史的にも注目されるエリアです。海岸沿いに連続する湖沼群は十勝海岸湖沼群と言われていますが、ここを訪れる旅行者は、かなりの北海道通といえるでしょう。

生花苗沼(オイカマナイトウ)はアイヌ語で「波が越えて入る」の意。海と沼が細い砂州で隔てられた地形を見事に表しています。地質的にも津波などが運んだ堆積物と植物が堆積した泥炭とが層になっており、まさに北海道の原生花園の原風景といえるロケーションです。旅するならこれから夏が絶対におすすめ! 注目のエリアです。

湧洞沼展望台から眺めた湧洞沼と太平洋。
周囲が約12kmもあるため湧洞湖とも呼ばれます。
撮影・大石正英